再会は光の中で~ひっそりと子育てしていたら、あなたの愛に包まれました~

3.二人で会う時間


 ジリリリというけたたましい音が耳元で鳴り、目が覚めた。枕元にあるはずのスマホを手探りで探すと、目覚ましを止めるためにホームボタンを押す。

「わぁっ。こんな時間っ!」

 スヌーズをセットしておいた目覚まし機能は役に立たず、疲れが溜まった私は、いつまでも目が覚めない。急いで飛び起きると、キッチンへ行き冷蔵庫を開け牛乳を取り出した。テーブルにあるスティックパンを皿に出し、和室で眠る千帆を揺り起こす。

「千帆、もう起きて! 間に合わないよ」

 千帆が眠そうな表情で目を擦り、起き上がる。

「ママ~、きょうピンクのスカートがいい」

 千帆はゆっくりとテーブルの席に着いた。千帆がパンをかじっているうちに支度を済ませ、保育園で使うセットを抱えると玄関へと向かう。

「食べながらでいいから、お靴履いて!」

 これがいつもの月曜日の様子だ。急いで千帆を自転車で園に送り届けると、そのまま駅前にある職場のカフェへと向かう。
 私の仕事はカフェのオープン仕込み作業や、ランチタイムのホール担当だ。カフェは白を基調としたおしゃれな店内で、野菜をメインにした料理が人気の店となっている。建物の裏側から入ると、店長と数名のスタッフが仕込み作業を始めていた。

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