勘違いはステキなはじまり
『久しぶり!元気にしてる?もうすぐ同窓会だね。行けそう?』

 今夜も遅くまで残業。帰りにコンビニで買ってきた夕飯を食べ、お風呂をすませるとあとは寝るだけ。

 冷蔵庫を開けて冷えた缶をひとつ取り出し、ベッドの前にある小さなテーブルにコトンと置いて、ベッドを背もたれに腰を下ろした。

「疲れた……」

 右手を左肩に乗せて頭を左右に振り、ゆっくり一周まわしたところでテーブルにある缶を開け一気に流し込む。

「うまいっ!」

 一人暮らしをしていると、ついつい心の声がダダ漏れに出てしまって自分でも笑える。

 こうして毎晩、仕事帰りにコンビニでアルコール度数の低いチューハイを買ってお風呂上りに飲みながらスマホのチェックをすることが日課になっていた。

 メッセージを見ると、同窓会の案内が入っていた。
高校の卒業式で、五年ごとにクラスの同窓会をしようという話になり、もうすぐ十年になる頃だった。

 五年目初めての同窓会では、みんな服装やお化粧も随分大人っぽくなっていて、男子も学生の頃とは違う髪型になり、あの頃とはみんな雰囲気が違って見えた。

「そっか、もうそんな頃か……」

 行きたい気持ち半分、複雑な気持ち半分。
高校で仲のよかった親友、茉莉(まり)へメッセージを送ってみたのだ。
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