彼女は僕を見てくれない

図書室

教室、廊下、校庭…
ガヤガヤとした賑やかな声で騒がしくなる時間。

やっと放課後だ…今日も疲れたな…
今日は部活もないしさっさと帰ろう。

いすから立って鞄を持とうとすると、
ズボンのポケットから何か落ちた。

落ちたのは 昼休みに拾った
乃々華先輩のハンカチだった。

そうだ…後で届けようと思ってポケットに入れてたんだった…

「ひなたー今日部活ないべ?今度の試合の練習で今日部員足りてなくてさぁ、助っ人で入ってくんない?」

バスケットボールを手にしながら尚輝が寄ってきた。

「ん?てかそれ何?ハンカチ?女子ぽくね?誰の??」

「いや、実はこれ拾ってさ、乃々華先輩のぽくて、今から届けに行こうかと思ってる。」

「は?!ののちゃん先輩の?!お前なんだよもー!先越す気か?!俺に行かせろ!!」

ハンカチを奪うようにして伸びてくる尚輝の腕をよけ、

「いやお前練習行くんだろ?」

とさっぱり断った。

「乃々華先輩って何組だっけ?」

「ちぇー…んと、3組じゃなかったけ?2-3」

「せんきゅー」

そう言って尚輝に手を振り、鞄を持って教室を出た。
< 6 / 6 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop