BODY BLOW ~Dr.剛の恋~
感じの悪い2人連れは、見かけ20代後半。
Tシャツにダメージパンツ。
茶色のロングヘアー、前髪が目に入りそう。
態度や物言いからはまともな社会人には見えない。

「お待たせしました」
煮込みハンバーグのランチを差し出す。
「サラダはバイキングになっていますので、後ろのテーブルからとってください」
説明し皿を渡す。

ドレッシングが好みじゃないだの。
ライスの量が少ないだの。
色々と文句を言う男性客に、「もしかして嫌がらせ?」なんて考えがよぎる。

食べている間も、大きな声で会話をする2人。
周りのお客さんもチラチラと気にしている。

「あんた、この店のママだよね?」
ランチもほぼ空になった頃、1人が声をかけてきた。

えっ?
「そうですけど」
一応返事をしながら、彼らの眼差しの異様さに気付く。
何?凄く見下したような視線。

「誰とでも、やらせるの?」
周りに聞こえないような小さな声で、私に向けた言葉。
はあ?
私は彼らを睨んだ。
「何だよ。俺ら客だぜ。何睨んでるんだよ」
もう1人も睨み返す。
「お客さん、酔ってます?」
できるだけ無感情に声をかけた。

へへへ
それでも男達はいやらしく笑う。

一体何なのよ。

男性の1人が、スマフォを私に差し出した。
「何ですか?」
様子がおかしいことに気付き近づいてきた鈴子と一緒に、スマホを覗く。

「キャッ」
小さな悲鳴を上げて私は目をそらした。

そこには生々しい裸の女性。その顔に私の写真が加工されている。
タイトルは「今夜のお相手を募集します」
連絡先として店の住所と店名が書き込まれている。
私は立っていられなくなり、その場に座り込んだ。

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