BODY BLOW ~Dr.剛の恋~
急いでいたせいか、15分で警察署に到着した。
駐車場に車を止めて、建物に入る。
2階に上がると、廊下の椅子に座っている鈴子と目が合った。
「鈴子。怪我は?」
「大丈夫」
所々打ち身の跡を残す鈴子が、笑顔を俺に向ける。
ひどいなあ。
女性に手を上げるなんて、
「病院には行ってないんだろう?」
「うん」
「なんで?ちゃんと調べてもらって診断書を出さないと」
診断書がなければ、起訴できないはず。
「宝は?」
近くに姿は無い。
「奥の部屋に」
鈴子の言葉の途中で、俺は会議室と書かれたドアに向かい、そしてドアを開けた。
「宝!」
勢いよく名前を呼んだ俺の目に入ってきたのは、
「剛」
驚く宝と、無表情なあの人。
なんで?
なんで、彼がここにいるんだ?
「じゃあ、俺はこれで。何かあれば連絡をして」
宝の元旦那が、沈黙を破って口を開いた。
「ありがとう」
淡々と答える宝。
ありがとう?
何で、彼が関わっているんだ?
「失礼します」
彼は俺に頭を下げると、部屋から出て行った。
「剛」
疲れ切った顔の宝が、俺を呼ぶ。
いつの間にか、すぐ隣まで寄ってきていた。
「どうしてここが分かったの?」
え?
「ああ、裕貴くんが病院に連絡をくれたんだ」
「病院へ?・・・ごめんなさい」
迷惑をかけてしまったと謝る宝。
「怪我は無い?」
「ええ。大丈夫」
大丈夫なはず無いだろう。
顔にいくつもの擦り傷が見えるし、手や足にも血がにじんでいる。
それに、少し動くたびに背中を痛がっている。
「宝、病院に行こう。俺もついて行くから」
精一杯穏やかに言った。
しかし、宝は首を横に振った。
駐車場に車を止めて、建物に入る。
2階に上がると、廊下の椅子に座っている鈴子と目が合った。
「鈴子。怪我は?」
「大丈夫」
所々打ち身の跡を残す鈴子が、笑顔を俺に向ける。
ひどいなあ。
女性に手を上げるなんて、
「病院には行ってないんだろう?」
「うん」
「なんで?ちゃんと調べてもらって診断書を出さないと」
診断書がなければ、起訴できないはず。
「宝は?」
近くに姿は無い。
「奥の部屋に」
鈴子の言葉の途中で、俺は会議室と書かれたドアに向かい、そしてドアを開けた。
「宝!」
勢いよく名前を呼んだ俺の目に入ってきたのは、
「剛」
驚く宝と、無表情なあの人。
なんで?
なんで、彼がここにいるんだ?
「じゃあ、俺はこれで。何かあれば連絡をして」
宝の元旦那が、沈黙を破って口を開いた。
「ありがとう」
淡々と答える宝。
ありがとう?
何で、彼が関わっているんだ?
「失礼します」
彼は俺に頭を下げると、部屋から出て行った。
「剛」
疲れ切った顔の宝が、俺を呼ぶ。
いつの間にか、すぐ隣まで寄ってきていた。
「どうしてここが分かったの?」
え?
「ああ、裕貴くんが病院に連絡をくれたんだ」
「病院へ?・・・ごめんなさい」
迷惑をかけてしまったと謝る宝。
「怪我は無い?」
「ええ。大丈夫」
大丈夫なはず無いだろう。
顔にいくつもの擦り傷が見えるし、手や足にも血がにじんでいる。
それに、少し動くたびに背中を痛がっている。
「宝、病院に行こう。俺もついて行くから」
精一杯穏やかに言った。
しかし、宝は首を横に振った。