浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
 カルラのことについてじゃない。彼が遊び人かもしれないってことに対して、心が穏やかでなくなっている。
 そんな気持ちを抱いた自分に驚いて、思わず動揺してしまった。

 だから、ひきつった笑みしか浮かべられなかった。

「クミ……」

 やはり、ひきつった笑みになっていたのね。彼が慌てて立ち上がりかけた。

「アレックス、ごめんなさい。ほんとに違うの。あなたの言ったことじゃないから」

 その彼を押しとどめようと言い訳を連ねようとしたけど、自分でも何を言っているのかわからない。

「さあ、そろそろばらし合いっこしましょうよ。あなたの作品、見たくてウズウズしているわ」

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