冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
「お前が十二歳だった頃に、初めて自分から会いに行きたいと言った王女だ。それが結婚相手になったのだから、嬉しいだろう?」
「誰が嬉しいものか」
唸るような声に、居合わせた臣下たちもはらはらと見守っている。
(――彼女じゃ、なかったんだ)
アンドレアは忌々しい過去を思う。
今から役十年前、十二歳だった時に、彼はこの王宮で〝サンスティール王国の第一王女〟を見たことがあった。
彼は興味がなくて、国同士の付き合いの挨拶には同席しなかった。
もう王宮を出る頃だろうと思って、訓練場から戻ってきた時だった。二階の廊下を歩いていると、彼女が木の上からぼとっと落ちるのを目撃してびっくりしたのだ。
彼女は、珍しいアイスブルーの目をぱちくりとして、泣きも痛がりもせず、一人で笑っていた。
とても風変わりな王女だ、という印象を抱いた。
『……木に登ったのか? 姫なのに?』
じっと見ていたところ、同行していた護衛騎士が気を利かせて教えてくれた。
『ご衣装からすると、サンスティール王国の第一王女でしょう』
初めて女の子に興味を抱いた。
笑っていた彼女が、どうにも忘れられなかった。話しかけに行けばよかったと後悔したのは、気になって仕方がなくなったせいだ。
そこで彼は、忌々しいが、食えないこの父に『会いに行きたい』と頭を下げて頼んだのだ。
「誰が嬉しいものか」
唸るような声に、居合わせた臣下たちもはらはらと見守っている。
(――彼女じゃ、なかったんだ)
アンドレアは忌々しい過去を思う。
今から役十年前、十二歳だった時に、彼はこの王宮で〝サンスティール王国の第一王女〟を見たことがあった。
彼は興味がなくて、国同士の付き合いの挨拶には同席しなかった。
もう王宮を出る頃だろうと思って、訓練場から戻ってきた時だった。二階の廊下を歩いていると、彼女が木の上からぼとっと落ちるのを目撃してびっくりしたのだ。
彼女は、珍しいアイスブルーの目をぱちくりとして、泣きも痛がりもせず、一人で笑っていた。
とても風変わりな王女だ、という印象を抱いた。
『……木に登ったのか? 姫なのに?』
じっと見ていたところ、同行していた護衛騎士が気を利かせて教えてくれた。
『ご衣装からすると、サンスティール王国の第一王女でしょう』
初めて女の子に興味を抱いた。
笑っていた彼女が、どうにも忘れられなかった。話しかけに行けばよかったと後悔したのは、気になって仕方がなくなったせいだ。
そこで彼は、忌々しいが、食えないこの父に『会いに行きたい』と頭を下げて頼んだのだ。