Diada de Sant Jordi ~サン・ジョルディの日に芽生えた恋~
私の場合、親が心配して、セキュリティのしっかりした、女子学生専用マンションに住まわせてもらっているので、部屋が狭い割に家賃は高い。

自分が働いていたら、多分こんな高いところには住めないと思われる。

イタミンは柔道もやっていたぐらいだから、何も私のような無駄に高い部屋に住む必要もないのだろう。

「僕の部屋、殺風景だよね」

そう言われ、部屋を見回して思ったのが、

「なんか…私の部屋の雰囲気に少し似てるかも」

率直な感想を言うと、イタミンは少し驚いていた。

「私、片付けが苦手だし、部屋も狭いから、無駄なものは置かないようにしてるんだ。ベッドも、人をダメにすると謳ってる便利アイテムだし」

「人をダメにする?」

「凄く便利なベッドなの。ベッドから動かなくても、大抵のことはベッドで出来るようになってて。収納も出来るしね」

「へぇ…。それにしても、片付けが楽なように、極力ものを置かないのは一緒。合理的でいいよね」

全くその通りだ。
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