異世界召喚 (聖女)じゃない方でしたがなぜか溺愛されてます

95 形勢逆転?

「次はどのようにすればよろしいですか?」

そう言って、私の中を掻き回していた指を引き抜く。
光る粘液が指に絡みつき、指を広げると糸のように指と指の間に垂れ下がる。
その目と声の響きから、楽しんでいるのがわかる。

「さっきより、ふっくらしてきたと思いませんか?」

粘液の絡みついた指が少しずつ元の太さを取り戻しつつあるのが、私にもわかった。
朽ちた枝のようにどす黒かった色も、僅かに色が薄くなっている。

効果はあるということなんだろうか。

医学的根拠も何もない思いつきの方法に、効果があるとは思わず、私の方が驚いている。

「普段神官の浄化というのは、体に触れて神聖力を注ぎ込むのですが、唾液や粘液を取り込む方がより効果が上がるということでしょうか」

起こった変化に、彼なりに考察した結果を話しながら、手についた粘液に舌を這わせる。

「えっと…アドルファスさん…いつもと感じが違いませんか?」

優しく紳士的なイメージだったのに、今日の彼はどこかダークな雰囲気を漂わせている。
まさか、魔巣窟の毒素の影響が性格にまで及んでいるのだろうか。
もちろん、神殿の人達に見せたような厳しい一面があることは知っている。
でも彼が私に向ける表情は常に慈愛に満ちていた。
こんな彼は初めて見る。

「いつか元の世界に帰るなら、あなたには私の良い部分だけを覚えていてもらおうと思っていました。この世界の美しい景色と共に。でもあなたが覚悟を決めたなら、私も遠慮はしません」
「え? あ、ちょ…アドルファスさん」

足首を掴まれ、パッカーンと足を広げられる。左手、動いてますけど。

「ああ、左手ですか? 治すことはできませんが、魔法で動かすことはできます」

疑問が顔に出ていたのだろう。私の目の前で左手をグーパーして見せる。

「え、ええええ!」

動かせる? 魔法で?
聞かされた言葉に唖然とする。
魔巣窟の毒素の影響は確かにあった。だから頬の傷も、腕もあんな風に変わっていた。
でも魔法でそこまで出来るなんて知らなかった。

「髪の毛と一緒で、魔力を流せば操ることができます。欠損したものを復元することはできませんし、今のこの手のように変貌した部分は、浄化でなければ、どうすることも出来ないでしょうけど」
「え、その、え?」

騙された? この場合私が魔法に対して無知だからなんだろうけど。もちろん元のように戻す必要はあるけど、魔法で動かせるならここまでしなくてもクムヒム神官がしたようにすれば良かったのでは?

「フフ、可愛いですね、ユイナは。私を治そうとこの体を捧げようとしてくれるとは…」
「ひゃうっ」

アドルファスさんが指で花芯をプリッと弾く。

「ああ、可愛いですね。本当に食べてしまいたい。あなたのどこもかしこもとても甘い。癖になりそうだ」

そう言って頭を下げると、彼の長い髪が私の足の間に落ち、太ももの内側を擦る。
その柔らかい感触がこそばゆくて、はっと身をこわばらせた。

「私を誘っているのですね。ここがピクピクして、本当に可愛い」
「そ、そんな…」

可愛い可愛いと何度も囁かれ、恥ずかしさに声が震える。そんなところ、可愛いわけがない。
それに勘違いの発想をして、偉そうにリハビリするとか馬鹿なことを言い出してしまった。

「や、そんなに見ないでぇ」

は、恥ずかしい。

「だめですよ」

ピクピクするのをどうにも止められず、足を掴まれたままなので閉じることもできなくて、手でそこを隠そうとしたら、見えない力で腕を枕の横に縫い留められた。

「私を癒やしてくれるつもりなら、最後まで宜しくお願いします」

再び彼の左手がズブリと侵入してきた。
さっきより質量が増しているのがわかる。
同じ三本の指でも今回はきちきちだ。

「はう…あ…」

三本の指が中の襞を突き、身悶える。
いやいやと頭を枕に擦りつけて横に振る。

「や、だめ…私が……リハビリ…」

魔法で力を失った腕を動かせるとは言え、それが本当の回復でないことはわかる。
魔法など使わなくても元のようには自由に動かせることが理想の姿。

「あなたを気持ちよく出来ていますか?」

リハビリは、もはや彼の手に主導権が渡ってしまった。

「ユイナ、あなたがこの世界で何をしようと構いません。聖女レイと共に魔巣窟の浄化をすると言うなら、望みのままにしてください。でも…」

私の中をかき回しながら、アドルファスさんは体を傾けて顔を寄せてくる。

「私の側を離れないでください。私はもうあなたを離すつもりはありません」
「ん…ああ…や…」

内側の気持ちいい所を彼の指が強く押し、中の指をきつく締めた。
同時に唇が触れ合い、快感に酔いしれる私の声を封じ込める。
お腹の奥だけでなく、体全体が発熱しているかのように火照り出し、熱がアドルファスさんへ流れていくのを感じた。
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