黒百合と罪
いつも、学校の帰り道ではあすと一緒。
少し歩いたら、質問をされた。

「そういえばさ、私たちっていつから?こんなに仲良くなったの。」
「中一からだよ。部活が同じでそっから仲良くなったんじゃん。」
「そうだっけ?」

そういって少し笑みを浮かべる彼女は綺麗で、可愛くて、見ていて幸せになれる。
正直、仲良くなったきっかけを聞いて「そうだっけ?」という回答をされたのは私に刺さるが。

「今は高二だから…五年くらい?」
「でももうすぐ高三だしほぼ六年だよ~。」

もう六年近くこうやって隣で肩を並べて話せているのはとても嬉しい。
今までにここまで長く続いた友達はいなかった。



初めて話したのは小一のときらしい。その時のことは覚えてない。
でも、それを覚えていたあすの話によると、最悪の出会いだったらしい。


そしてまた、中一で同じ美術部になった。これが二度目の出会い。
そのときにはすでにその″最悪の出会い″を私は覚えていなかったから、少しだけ話して少しづつ仲良くなっていった。
なんだかんだいって、あすが美術部で一番気が合って、一番価値観が合う人だった。
最初の一年は、なんか気まずそうにしてたけど、その″最悪の出会い″があったから気まずそうにしてたんだと今は思う。

そして高三になれば……
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