クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
「大丈夫だと言ったのは君だろう。嫌ならあの時に俺を拒むべきだった。……もう遅い」

 透哉さんは私を咎めるように首筋を甘噛みし、濡れたキスと初めての快感を与える。

「ん、んっ……あっ……」

 キスが降りて鎖骨に到達する。強く吸い上げられると、小さな痛みを感じるよりも早く全身が火照った。

 唇だけで器用に甘やかされながら、身体の芯を溶かされていく。

 彼は暴かれた肌にも丁寧にキスを繰り返しながら、ときどき自分の存在を刻みつけようと私の身体に痕を残していった。

 いつの間にか手首を解放されていたけれど、気付く余裕などあるはずもなく、背に回った彼の腕を受け入れる。

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