クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
 漆塗りのテーブルを挟んで向かい側に座っているのが私の両親だ。

 私たちが帰国してすぐ、父の再就職を告げられた。だから仕送りは必要なくなったのだけれど、透哉さんの手は借りずに今まで通り私にできる範囲で送っている。

 透哉さんは少し気にしているようだったけれど、もう私たちの結婚は契約ではないのだし、また困った時には手を貸してもらうという事で話が済んでいた。

 両親は私との血の繋がりがわかりやすい……と思っている。

 父のすらりと高い鼻と、母のいつも笑っているように見える三角形の目。私は二人のいいところを両方もらって生まれてきた。

< 234 / 250 >

この作品をシェア

pagetop