極甘恋愛短編集
「え?」


「どうやって作ればいいのか知らないんだ」


そう言ってまたカレーを口に運ぶ。


冷凍食品なんてレンジでチンすれば大抵のものが食べられる。


さっちゃんさんは一体どんなものを用意して行ったんだろう?


首をかしげつつ、男の子に了解を取って冷凍庫の中を確認させてもらった。


中に入っていたのは冷凍ピザや冷凍パスタなど、やっぱりレンジで解答してそのまま食べられるものばかりだ。


「大丈夫だよ。レンジで作れるものばかりだから」


戻ってそう伝えたのだけれど男の子は左右に首をふる。


「僕、レンジ使ったことがないんだ」


その言葉に自分の耳を疑った。


レンジを使ったことがない?


大昔の人ならともかく、今高校生でレンジを使ったことがないなんて、ありえるだろうか?


例えば超お金持ちの坊っちゃんで、ご飯は常にできたてをコックさんに作ってもらって食べている。
< 52 / 129 >

この作品をシェア

pagetop