極甘恋愛短編集
☆☆☆

男の子の名前は徹というらしい。


カレーを大盛りで3杯も食べてようやく落ち着いて自己紹介ができたのだ。


徹は話しに聞いていた通り同じ学校の1年生で、部活には入らずに週に3日バイトをしているらしい。


そのへんは母親の大変さを考えてのことだろう。


だけど家事の一切はダメだった。


何度か母親に教わって頑張ってやっていたようだけれど、すぐに飽きてしまって忘れてしまう。


そんなことを繰り返してきて、レンジの使い方もままならないようだ。


「じゃあ、レンジの使い方を説明するね」


「お願いします」


徹くんが深く頭を下げてメモを取り始める。


そこまでしなくても。


と思うが、口には出さなかった。


今度こそ覚えようという気があるのなら、そのほうがいい。
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