ここは君が夢みた、ふたりだけの世界。




さっそく男子たちは割り箸を先生に用意させて、マジックで番号を振り始める。

そんなこんなで我がクラスの出し物はチョコバナナに決定。



「よっしゃ王様はオレ!!じゃあ2番のやつ、5番にキス!!」


「おいふざけんな!!俺じゃねーかよ!!」


「ぎゃははっ!!5番だれ?蒼太!?はいはいみんなちゅうもーくっ!拓海と蒼太の熱いキッスまで3、2、いーち、」



放課後、6限の名残りがある教室内ではギャハギャハと割り箸を手にしながら騒ぐ数人。

残念なことに2番を引き抜いてしまった北條くんは、5番を引いた男子の頬っぺたにひとつ。



「はあー?クチじゃねーのかよ拓海(たくみ)!!つまんねえ~!!」


「当たり前だろ!想像しただけでも吐き気やべーわ!」


「王様の命令は絶対なんだよ!」



流行ってしまった王様ゲーム。

さっきは早く帰りたい、なんて言っていたのに帰る気配すらない賑やか軍団。


そんな私はリュックに教科書を詰めながらBGM程度に聞いていた。



「次は女子も混ぜよーぜ!」



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