ここは君が夢みた、ふたりだけの世界。




高校生になれば自然と彼氏ができるものだと思っていた。

クラスメイトや先輩が誰かしら声をかけてくれて、気づけば発展しているものだと思っていた。


甘かった、甘すぎた、私は高校生活というものをナメすぎていた。



「てかさ、なんでこんな何もない10月の始めに告ってんの」


「えっ、」


「せめて文化祭まで待てばよかったのに。雰囲気も大事じゃない?
今日なんか朝は雨だったし、いまも曇ってるし、告白日和ではないじゃん」


「そんなの決まってる…!7日だからっ!!」


「は?」



思わずガタッと勢いよく席を立ってしまうくらい、ぐっとこぶしを握って堂々と立ち上がってみせる。

そんな私とは反対にきょとん顔をしてくるものだから、本気で心配になった。



「え、もしかして楓花ラッキーセブン知らないの…?7は特別な数字って知らないの…?」


「……ごめん、私が驚いてんのはそこじゃなかったわ」


「じゃあ…どこ…?」


「あんたが未だにそんなの信じてるってとこ」



< 8 / 364 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop