イケメンクラスメイトの推し愛が重い
泊まりといっても一泊だけなので、小さめのボストンバッグに服を詰め込む。
……やばい。
一回『行かない』って言っておきながら、めちゃくちゃ楽しみになっちゃってる。
……茉美と、どんな顔して会えばいいのか、それだけが怖いけど。
*
約束の時間に駅に着く。
見つけられるかと不安だったけど、
カラフル頭のヤンキー集団はめっちゃ目立ってた。
「……おはようございます」
しほみの顔で歩くのは慣れてなくて、顔を隠せるように被ってきたキャップを深く被ってヤンキー集団に声をかけた。
誰だ?ってヒソヒソ話してるヤンキー集団の中で、
「……志歩…」
唯一、茉美だけは顔を隠してても私だって気付いてくれた。
「……ちゃんと、来て、あげたよ」
なんて、超上から目線。
目を逸らして呟いたら、
茉美にぎゅうっと抱きしめられた。