俺様御曹司はドン底OLを娶り愛でる～契約結婚だと思っていたのは私だけですか？～
あの日の約束は永遠に
【あの日の約束は永遠に】

紆余曲折あったが、私たちが夫婦となって半年が過ぎた。旭さんはその間に副社長に就任し、そしてその発表の際に私たちの結婚のことも正式に公表した。

他の女子社員の反応が少し心配であったが、彼女と妻という立場では反応が違うのだろうか。

特に嫌がらせを受けることもなく、むしろ副社長夫人とかいう肩書きがついてしまったせいか、変に気遣われこっちが申し訳なくなるくらいだ。

旭さんは会社で公表してから社内でよく私に声をかけてくるようになった。挙句の果てには、社員食堂で一緒に昼食を食べようとするから困っていたりもする。

それでも、旭さんに大切に守られ私は幸せな日々を送っている。

「なんか豪華すぎて恐縮しちゃいます」

「一生に一度のことなんだから、このくらい当たり前だろ？」

隣の座席に座る旭さんが私の手を握り、穏やかに微笑む。

「こんなに贅を尽くしていただかなくても、私はエコノミー席で十分でしたよ」

「それじゃあ周りの目があって、夏香にちょっかい出せねぇだろうが」

「は？」

旭さんは相変わらずこんな感じだ。
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