俺様御曹司はドン底OLを娶り愛でる~契約結婚だと思っていたのは私だけですか?~
「立花さん、ちょっといいかな」

「はい。なんでしょうか?」

会議室の片づけをしていると、営業二課の長瀬(ながせ)課長が私のもとへとやってきた。

「取引先のサグザネ産業との商談用の会社資料のことなんだけど」

確か来週の水曜日に商談が入っていたはず。

「あ、それなら今週中に作っておきます」

「それが向こうの都合で急遽、明日になってしまったんだ」

「そうだんたんですね」

「忙しいところ本当に申し訳ないんだけど、今日中に資料を作ってもらえないかな」

「分かりました」

今日は定時で帰れると思っていたが、残業確定かな。まぁ、その方が少しでも稼げるからありがたいけど。

実はいまだに父の借金を返している。それプラス医学部に通う弟の大学費用を捻出しなければいけないこともあってかなり生活は苦しいし切り詰めていう状態。

弟も大学に通いながら合間にバイト生活をして大変そうだし、早く借金を返し終えて母と弟に楽をさせてやりたい。

それが今、一番の願いだ。

周りの女友達は第一次結婚ラッシュで、中にはもうママになった友達もいる。幸せそうな友達を見ていると、羨ましいと思うこともあるけれど、今は恋愛や結婚よりも仕事が優先だ。

きっとしばらくはこんな生活が続いていくんだろうな。

仕事にも慣れてきたし、この生活もこれはこれで悪くないけれど、いつかは私だって結婚して子どもを産んで幸せな家庭を築きたいとは思っている。
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