RED&BLACK

紙に書かれていた内容に、エレンが驚き声を上げる。シェラも信じられなかったが、ユーゴがすぐに「嘘じゃない。それは本当だ」と言う。

黒い紙は、シェラがあの日飛び出したボーデン家が一族たちに送ったものである。そして、そこに書かれていたのは「サタン様のお告げがあり、花嫁でなくても生贄を捧げればよいと言われた」と書かれている。そして、半年後に双子の男女を生贄に捧げることが書かれていた。

「酷い……」

アーシャが唇を噛み締め、部屋の空気は一気に重くなっていく。シェラの心の中にも怒りがあった。どこまでもボーデン一族は愚かだ。自分の中に流れている血が穢らわしく感じ、怒りと共に恥ずかしさすら覚えていく。

「……この生贄に選ばれた双子を助けたい……」

シェラがそう言うと、「助けるつもりだ」とユーゴはすぐに返す。ユーゴの言葉に残りの六人はどこか驚いた顔をしていた。

「お前には悪いがボーデン家を潰す。最近のボーデン家は色んな人間に悪魔を信仰させようとしている。おかげでこの前も狩りに出たら、「生贄になれ」と言われて殺されかけたからな」