一夜の過ちは一生の過ちだった 【完】



無機質なコンクリート打ちっぱなしの壁に、真っ白なベッドと真っ白なシーツ。


広い部屋の中にベッドしかないというのは、こんなにも生活感がないものなのかと、まだ鈍い頭で考える。

起きようという思いとは裏腹に、身体をシーツにゆだねてしまうのは、きっと肌に吸いつくようなシーツのせい。

いったい何時だろう。

今日、何かやらなきゃいけない事はあっただろうか。
何もないなら、もう少しこうしていたい。

こんなに深く眠れたのは、久しぶりだから。

だけど



―――ここは、いったいどこだろう。



思わず飛び起きると、全身からみるみる血の気が引いていった。


自分の家ではない。
友達の家でもない。
ホテルかと思ったけれど、ホテルにしたら物がなさすぎる。

服も下着も()けているけれど、自分の服ではない。


昨夜の記憶をどうにか辿(たど)ろうとするけれど、まったく思い出せない。


一つだけ確かなことは、すごくすごく――お酒臭い。
< 2 / 186 >

この作品をシェア

pagetop