if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~

見えない糸

〔見えない糸〕

僕はその日、メディカルセンターで当直を終え、午前中のうちに書類をサンフランシスコに運ぶ予定だった。
駐車場でそれは偶然に見かけた事だったんだ。

日本語で怒鳴るその若い女性の声に 僕はその声のする方を見てしまう。

”いい加減にしてよッ! シツコイってのよ!”


相手はアメリカ人男性三人で、女性の肩に手をかけて、何だか”もめ事(トラブル)”のようだ

”ねぇ・・いいじゃん!此処までついて来てて、それは無いんじゃないか?!”
”どうせ、Japなんだから・・無理に連れて行こうぜ!”

痴話喧嘩か?!いや、犯罪だな? ドー考えても嫌がっているし、それも3人か。
被害者は日本人なんだし、同胞として助けなくちゃって思ったところで、日本語で話すその彼女を見て驚いたんだ。
ああ~ッ! あの時の彼女か?

僕が気持ち良く芝の上で寝てたら オジサン呼ばわりした子だった。

後部座席のドアを開けて 大事な書類をまず詰め込んだ
そして ドアを勢いよく閉める。
当然に ”ドン”という 大きな音が駐車場に響いた
その音に 彼女が僕の方を見て来た 僕はまたもや・・偶然とはいえ、目が合ってしまう

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