スパダリの秘密〜私の恋人はどこか抜けている〜
「浮気とは言うよな~」
ゆかりと大樹の何気ない言葉に、有紗の胸はずんと重くなる。
(浮気って……慶汰さんが……?)
「考えたこともないって顔してる!」
ゆかりの言う通り、ある程度自分に自信がある有紗にとって、浮気をされるという概念は存在しなかったのだ。しかし二人に言われてしまったことで、胸がざわざわとし始める。
そんな有紗の様子に気付いたゆかりは、慌てて手を振って否定をした。
「あくまで憶測の話だからね? これまでそんな兆候なかったんだろうし、大丈夫だと思うよ?」
「う、うん……」
頷きつつも、有紗は鶴生が外で何をしているかをほとんど知らなかった。もちろん仕事で帰りが遅いだけなのだが、それが本当かどうかを確かめる術はない。
黙り込んでしまった有紗に、二人は気まずそうに顔を見合わせる。
「あのさ、言いづらいと思うけど……有紗も不安に思うことがあるなら話したほうがいいと思うよ? 付き合ってるんだから、それくらい大丈夫だよ」
「そうそう、有紗昔からちょっとばかしプライド高いところあるからな~。あんまり我慢すんなよ」
「……ありがと」
話を聞いてもらってほんの少し軽くなった有紗の心は、また別の問題で重くなっていた。
ふとスマートフォンの通知を見ると、慶汰から帰りの時間についての連絡が入っていた。
(……何だか今日は、慶汰さんの家に帰りたくないな。まともに話せなさそうだし)
小さくため息をついて、手元のグラスのビールを飲み干す。
(こんな風に悩むなんて……恋愛って面倒だ)
アルコールが回った頭で、有紗はそんなことを考えた。
ゆかりと大樹の何気ない言葉に、有紗の胸はずんと重くなる。
(浮気って……慶汰さんが……?)
「考えたこともないって顔してる!」
ゆかりの言う通り、ある程度自分に自信がある有紗にとって、浮気をされるという概念は存在しなかったのだ。しかし二人に言われてしまったことで、胸がざわざわとし始める。
そんな有紗の様子に気付いたゆかりは、慌てて手を振って否定をした。
「あくまで憶測の話だからね? これまでそんな兆候なかったんだろうし、大丈夫だと思うよ?」
「う、うん……」
頷きつつも、有紗は鶴生が外で何をしているかをほとんど知らなかった。もちろん仕事で帰りが遅いだけなのだが、それが本当かどうかを確かめる術はない。
黙り込んでしまった有紗に、二人は気まずそうに顔を見合わせる。
「あのさ、言いづらいと思うけど……有紗も不安に思うことがあるなら話したほうがいいと思うよ? 付き合ってるんだから、それくらい大丈夫だよ」
「そうそう、有紗昔からちょっとばかしプライド高いところあるからな~。あんまり我慢すんなよ」
「……ありがと」
話を聞いてもらってほんの少し軽くなった有紗の心は、また別の問題で重くなっていた。
ふとスマートフォンの通知を見ると、慶汰から帰りの時間についての連絡が入っていた。
(……何だか今日は、慶汰さんの家に帰りたくないな。まともに話せなさそうだし)
小さくため息をついて、手元のグラスのビールを飲み干す。
(こんな風に悩むなんて……恋愛って面倒だ)
アルコールが回った頭で、有紗はそんなことを考えた。