俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する
そんな話しをしている間にも、
残りのみかんが売れてしまった。

「大変、急いでみかん持って来ますね。」
旬の早出しみかんは飛ぶ様に売れる。
急いで車に戻ってみかんのコンテナを3箱台車に乗せて来た道を戻る。

「みかん、ここに並べますね。」
中山さんはお客様対応で忙しそうなので、
みかんを棚に並べる作業をかって出る。

並べ終わって立ち上がり振り返った瞬間、

「きゃっ⁉︎」
後ろを気にせず立ち上がってしまい人にぶつかる。
倒れる、と思った瞬間思わず目をギュッとつぶってしまう。

「悪い、大丈夫か?」
次の痛みを覚悟していたのに何も起こらず、そっと目を開けると…

目の前に、TVから出て来たかの様な長身のイケメンが心配そうに見下ろしていた。

「えっ⁉︎」
状況が咄嗟に理解出来ず固まる。

が、腕と腰を支えられた状態に驚き、
次の瞬間パッと離れる。

「すいません、ごめんなさい。
……大丈夫でしたか?」
恐縮して頭を下げてひたすら謝る。

「俺は何ともないが……君は?」

「大丈夫です…すいませんでした。」
そそくさとその場を離れようとしたが、
何故か長身のイケメンは掴んだ私の腕を離してくれない…

「あの…?」
不思議に思って首を傾けて煽り見る。

切長の鋭い瞳にラフな前髪が軽くかかりイケメン度合いを増している。

服装も白シャツに高級そうな紺のジャケットを羽織り、紺のジーンズが足の長さとスタイルの良さを強調している。

なぜこんな人がこんな所に?
と思うほどのイケメンぶりだ。
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