俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する
「御曹司の苦悩は、俺ら凡人には分からないけど、ただこの先…結婚ともなれば否応無く巻き込まれるだろ?果穂が…」

「認めてくれるんだな。」
翔が軽く笑う。

「認めるも何も…俺が守るよりお前の方が強いだろ。経済的にも人間的にもさ…。
母親の話し聞いたんだろ?」

「ああ」 

「またあんな事件に巻き込まれる事だってあるかも知れない。果穂は可愛いから。
だからお前の側の方が安全かも知れない。」

ホテルに着いたが話しは尽きない。しばらく車内で話し込む。

「果穂は痴漢とかストーカーとか惹きつけやすいタイプなんだ…。」

「今までもそう言う経験が?」

「高校時代は電車に乗れば、痴漢によくあった。おかげで果穂は1人で電車も乗れなくなった。身内以外の男には怯えるくらいだったんだ。
移動cafeを始めてからやっと普通に話せる様になったんだ。だから、あんたと2人っきりで普通に話しが出来るのが信じられない。」

「そうなのか、気付かなかったな。」
これまで以上に気を付けて接しなければと、思いながら今までの自分の行動を省みる。
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