俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する
車内でスマホを出し、早速『間宮ファーム』で検索する。

シンプルなホームページだが青空に映えるみかん畑の写真が出てきた。
彼女の形跡が無いかとホームページをくまなく探す。

経営者の父親だろうか、みかんを持って笑う中年男性と若い男の二人の写真、二人はよく似ているから親子だと側から見ても分かった。
彼女はアルバイトなのか?
それともこの男の嫁なんて事があるのか⁉︎

何に焦っているのか自分でも分からない。
どの写真にも彼女の姿は載っていなかった。
インスタブログに飛んでみる。

移動販売店『陽だまりcafe』が出てくる。
可愛い茶色カラーの車の写真が出てきて、心が跳ねる。

参加したイベントの情報や、メニューを紹介した写真が青空をバックに何枚か出てきて気持ちが躍る。

果物をふんだんに使ったパフェやみかんジュース、ジャム、どれも今どきでインスタ映えして、お洒落度も高い。

これは絶対女性じゃないと出来ない筈だ。
あの親子の写真を思い浮かべながら、彼女の形跡が無いかと探す。

カキ氷の写真で手が止まる。
それを持つ手が色白で、先程咄嗟に握った彼女の肌を連想させた。
このカフェをやっているのが彼女だと確信する。
「間宮…果穂…」
思わず口に出して呼んでみる。
それだけで、体中の血が熱くなるのが分かる。俺はどうしたんだろうか…

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