俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する
「…カレーを…。」
ボーっとする頭でそれでも頑張って立ち上がろうとする果穂を止めて、

「自分でやるから大丈夫。」
翔はそう言ってキッチンに向かう。

皿に盛って戻る頃には、既に果穂はソファに寄りかかりくたっと寝てしまっていた。

翔は果穂に膝掛けをそっとかけて膝枕をする。

幸せそうな顔で寝てる果穂が可愛くて、つい触りたくなってしまうが、起こしてはいけないと気持ちを抑える。
 
寝顔をずっと見ていたくなる程、幸せな気持ちになる。

果穂の家族には明日隠さず話そうと決めた。

果穂は余計な心配をしてしまうから、
お兄ちゃんには内緒にしておいた方がいいと言うけど…。

どこからか漏れでて伝わるよりも、翔自身の言葉で伝えるべきだと思っている。

信頼してくれて果穂を預けてくれたのだから誠実でいたい。翔の父親には病院で電話をかけた。

時間が遅かった為、既に寝たかもしれないと思っていたが、待っていたように電話に出て元部下がしでかした事を詫びていた。

歳を取り性格が丸くなったのか果穂にも直接謝りたいと言う。

お互い親子として、これから少しずつ歩み寄る事が出来るのかもしれない。
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