俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する

自宅にて(果穂の場合)

夕飯を食べてTVを観ながらぼんやりしていると、スマホが振るえた。

誰だろう?と見てみると昼間連絡先を交換したばかりの、堀井さんからメールが届いていた。
やましい事でも無いのにドキッとしてキョロキョロしてしまう。

あの心配症で過保護な、兄に見つかったら煩さそうだし…パタパタと自分の部屋に入ってメッセージを確認する。

『連絡先教えてくれてありがとう。
俺が言うのもなんだけど…男に簡単に教えちゃダメだよ。君は素直で良い子だから騙されそうで心配だ。』
ふふっ、ここにも心配症がいたとつい笑ってしまう。

『今晩は。今日はお手伝いありがとうございました。お手伝いしてくれた優しい人だと、信用して教えてしまいましたが…ダメでしたか?これからは気を付けます。』

直ぐに既読が付いて何故かドキドキしてしまう。堀井さんも今この瞬間、同じ様にスマホを見てるんだなぁと思う。

社長さんなのに……忙しい人だと思うのに私なんかにメールをくれる優しい人。

『俺以外の男には絶対、教えたらダメだよ。
一つ頼みがあります。
名刺の住所に俺宛にみかんを二箱送って下さい。もちろん代金引換えでお願いします。
仕事の事をすっかり忘れていた。』

ふふふっ、はるばる東京から来たのに忘れて帰るなんて可愛らしい人。

『みかんの買付に来てたんですね!!
みかんのサイズがS、M、Lとありますがどうしますか?』

『君のお勧めのサイズで。
パフェの試作品を作るので君の凍らせるアイデアを真似してもいいですか?
特許があるなら費用を払います。』

本気で言ってるの?特許なんてあるわけ無いよ。
『ご自由にお使い下さい。
素人の私なんかのアイデアをむしろ真似して頂けるなんて光栄です。みかんのサイズはMがお勧めです。味が均等なのと使い勝手も丁度いいので。』

『ありがとう。このお礼は必ず。』

『こちらこそ、お買い上げありがとうございます。』
お気に入りのチワワのスタンプと共に送信する。
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