本当の恋とは言えなくて
朝いつもの駅で待っていた。
いつもの時間より少し早くからいつもの時間より少し長く…。
いくら電話をしてもつながらず、いくつも送ったメッセージも一向に既読にならない。
それなら…と家まで行こうと思ったが父親や相川にガッチリガードされていて抜け出すことは出来なかった。
昨日のパーティーの招待客達はどの人もこの人も我がホテルにとっても重要な人物ばかりで、あれ程の人達の前で行われてしまった相川との婚約発表だ。今の今すぐに否定する事は難しい。
下唇を噛み、足で地面を強く踏み鳴らす。
近くを通りすぎる人がチラリとこちらを見るが無言で過ぎ去って行く。
白いマフラーでフワフワと頭のお団子を揺らしながら子犬のようにじゃれついてくる紬を思い出して胸が苦しくなった。
痛む胸を押さえ天を仰いだ。
プルプル…プルプル…
ポケットの中のスマートフォンが鳴る。
(紬からかもしれない!)
そう思ったらあわててしまいスマートフォンを落としてしまいそうになった。
ディスプレイに表示されている名前を見て落胆する。
「…はい」
「何?!いっちょまえに落ち込んだ声出してるの?!」
スマートフォンから聞こえる玲子の声は低く冷たい。
「フゥ…用事がないなら今は話すような気分じゃないからまた…」
「お休みされてたわ。」
「え?」
「紬先生、お休みされてた。」
「…え?!」
「私はてっきり貴方と紬先生が婚約するものだとばかり思っていたけど、違ったのね!じゃあ、用事はそれだけよ!最低な男!」
言いたいことだけを捲し立てて言うとブチッと通話は終了してしまった。
いつもの時間より少し早くからいつもの時間より少し長く…。
いくら電話をしてもつながらず、いくつも送ったメッセージも一向に既読にならない。
それなら…と家まで行こうと思ったが父親や相川にガッチリガードされていて抜け出すことは出来なかった。
昨日のパーティーの招待客達はどの人もこの人も我がホテルにとっても重要な人物ばかりで、あれ程の人達の前で行われてしまった相川との婚約発表だ。今の今すぐに否定する事は難しい。
下唇を噛み、足で地面を強く踏み鳴らす。
近くを通りすぎる人がチラリとこちらを見るが無言で過ぎ去って行く。
白いマフラーでフワフワと頭のお団子を揺らしながら子犬のようにじゃれついてくる紬を思い出して胸が苦しくなった。
痛む胸を押さえ天を仰いだ。
プルプル…プルプル…
ポケットの中のスマートフォンが鳴る。
(紬からかもしれない!)
そう思ったらあわててしまいスマートフォンを落としてしまいそうになった。
ディスプレイに表示されている名前を見て落胆する。
「…はい」
「何?!いっちょまえに落ち込んだ声出してるの?!」
スマートフォンから聞こえる玲子の声は低く冷たい。
「フゥ…用事がないなら今は話すような気分じゃないからまた…」
「お休みされてたわ。」
「え?」
「紬先生、お休みされてた。」
「…え?!」
「私はてっきり貴方と紬先生が婚約するものだとばかり思っていたけど、違ったのね!じゃあ、用事はそれだけよ!最低な男!」
言いたいことだけを捲し立てて言うとブチッと通話は終了してしまった。