ゲームクリエーターはゲームも恋もクリアする
水族館を出ると、東堂が、

「じゃあ、次は食事かな。うまいフレンチの店知ってるんだ。そこでもいいかな。」

と言った。

若葉のお腹もすでにペコペコだ。
今日はとてつもなく忙しく、昼も仕事をしながら栄養ゼリーを飲んだだけだった。

若葉は

「はい。」

と答えると、そのまま東堂の後をついて行った。

2人は大通りに出ると、タクシーに乗り込んだ。

東堂は運転手に

「ベリーズホテルまで。」

と行先を告げた。

若葉はとても驚いた。ベリーズホテルといえば、超高級ホテルである。
レストランや宿泊もなかなか取れない超高級人気ホテルだ。レストランやラウンジも若葉からすると目が飛び出るほど高い。
一般市民が何もない日に、気軽に食事をしに行くような場所ではない。

「あの、東堂さん、ベリーズホテルって・・・。」

と言いかけると、

「ああ、たまたまレストランの予約が取れてね。ここのフレンチ、うまいんだ。」

「・・・そうなんですか。」

若葉は今度こそ、食事代は私が払おうと思ったが、払える金額なのだろうかと不安に
思っている間に、タクシーはベリーズホテルに到着した。

タクシーから降りると、

「東堂様、おかえりなさいませ。」

と、ボーイが言った。

それを聞いた若葉は、

「東堂さん、ホテルに泊まってるんですか?」

と聞いた。

「いや、今日は泊まってないよ。このホテルは仕事で集中したい時にたまに使ってるんだよ。」

と、東堂が答えた。

若葉は東堂のことを知れば知るほど、驚くことばかりだった。

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