ゲームクリエーターはゲームも恋もクリアする
「ありがとう。で、なんだ?改まって。」
と、佐野は質問してから、エスプレッソを一口飲んだ。
「実は、河合若葉さんと付き合うことになって。」
と、東堂が切り出した。
佐野の表情が一瞬曇るが、すぐに、
「よかったじゃないか。今度は長続きするといいな。」
と、佐野は笑顔で言った。東堂は真剣な表情で、
「河合さんとは別れないよ。結婚も考えてる。」
と言った。それを聞いて驚いた佐野は
「え?もうそこまで?いつからつきあってたんだ?」
と聞いた。
「付き合うことになったのは昨日かな。」
「はあ?なに一人で盛り上がってんだよ。」
「すぐにそこまでの関係になるよ。」
その言葉を聞いて、佐野は大きなため息をついてから、
「とりあえず、お前はもう今の企画に関わるな。河合さんの企画を
成功させたければ、仕事で河合さんに会うな。」
と言った。
「なんでだよ。」
と、すかさず東堂が不服そうに言う。
「仕事に支障が出るからだよ。そんな状態で河合さんと関わるのはだめだ。
とりあえず、進捗状況も逐一報告させるから、こっちのことは心配するな。」
「仕事でも河合さんと会えると思ってたのに・・・。」
「だから、そういうのがダメなんだよ。今までほとんど顔出さなかったやつが
急に会社に頻繁に来たらすぐに怪しまれるよ。自重してくれ。」
「・・・分かった。我慢するよ。」
東堂は渋々返事をすると、部屋を出て行った。
扉がバタンと閉まると、佐野はエスプレッソを一気に飲み干し、
持っていた紙カップをぐしゃりと潰した。