ゲームクリエーターはゲームも恋もクリアする
マンションの前で、東堂の到着を待つ。

今日は車で来るって言ってたから、車が止めやすいところに移動して・・・

と、考えていると、高級車が一台、スウーっと若葉の前に静かに止まった。

東堂が車から降りて来て、

「お待たせ。若葉さん。」

と言い、助手席のドアを開けた。
若葉は、東堂の流れるようなスマートな動作に驚きながらも、

「あ、お邪魔します・・・。」

と言って、車に乗り込んだ。

「どこか行きたいところある?」

と、東堂が若葉に聞く。

「すいません、考えてきてないです。」

と、若葉が答えると、

「OK。じゃあ今日もデート中は仕事の話は無しで。」

「え?あのゲームまだ続いてるんですか??」

と、若葉が驚いた表情で言うと、

「ハハハ、冗談だよ。ゆっくりでいいから、とりあえず敬語はやめて。」

「そんなに重要ですか?」

「う~ん、なんか距離があるようで気になるんだよね。」

「分かりました。気を付けます。」

「ハハハ。言ってる傍から変わってないよ。」

「ほんとだ。フフフ。」

「じゃあ、今日のデートは僕に任せてもらってもいいかな?」

「はい。お願いします。」

と、若葉は笑顔で言った。
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