ゲームクリエーターはゲームも恋もクリアする
若葉と和葉
若葉の脳裏に実家で過ごした日々がよぎった。
若葉18歳(高校3年生)
和葉22歳(実家の旅館で女将の修行をしながら仲居をしている。)
トントン
と、ノックして和葉は返事を待たずに若葉の部屋の戸を開けた。
若葉はベッドに寝ころびながら参考書を読んでいる。
枕の横には携帯が無造作に置いてあり、画面がどんどん変わっていっていた。
そんな若葉に姉の和葉(かずは)が声をかけた。
「若葉、またゲームしながら勉強してるの?」
「ログインボーナスもらってるだけよ。」
「ねえ、もう一回ちゃんとお父さんと話してみたら?」
「いいよ、もう。高校卒業したらこんな家、出ていくから。」
和葉は、はぁ~っと深いため息をついてから、戸を閉めた。
~春~
旅館の前の道を掃き掃除している和葉に、若葉が息を切らして駆け寄って来た。
「お姉ちゃん!受かった!東京の大学受かったよ!」
「若葉、おめでとう!!」
和葉は自分のことのように喜んだ。
翌日
「お姉ちゃん、やっぱり東京の大学無理かも・・・。」
目にいっぱい涙を浮かべた若葉が姉の和葉に相談した。
「どうしたの?お父さんにバレたの?」
「ちがう。学費は奨学金で何とか出来そうなんだけど、入学金が・・・。明後日までに
入金しないと、合格取り消されちゃう・・・。」
「ふふふふ。そんなの分かってたことじゃない。私が出すよ。」
と、和葉は笑った。
「・・・。」
若葉はあっけに取られた。和葉は続けて、
「私、高校卒業してから、仲居の仕事して、けっこう貯金も溜まってるのよ。
だから大丈夫。若葉はしっかり大学で勉強して、夢叶えて。これは先行投資。
立派になったら倍にして返してね。」
と言って、ケタケタと笑った。
「お姉ちゃん、ありがとう・・・。」
と、若葉は声にならない声で、和葉に抱きついた。
若葉18歳(高校3年生)
和葉22歳(実家の旅館で女将の修行をしながら仲居をしている。)
トントン
と、ノックして和葉は返事を待たずに若葉の部屋の戸を開けた。
若葉はベッドに寝ころびながら参考書を読んでいる。
枕の横には携帯が無造作に置いてあり、画面がどんどん変わっていっていた。
そんな若葉に姉の和葉(かずは)が声をかけた。
「若葉、またゲームしながら勉強してるの?」
「ログインボーナスもらってるだけよ。」
「ねえ、もう一回ちゃんとお父さんと話してみたら?」
「いいよ、もう。高校卒業したらこんな家、出ていくから。」
和葉は、はぁ~っと深いため息をついてから、戸を閉めた。
~春~
旅館の前の道を掃き掃除している和葉に、若葉が息を切らして駆け寄って来た。
「お姉ちゃん!受かった!東京の大学受かったよ!」
「若葉、おめでとう!!」
和葉は自分のことのように喜んだ。
翌日
「お姉ちゃん、やっぱり東京の大学無理かも・・・。」
目にいっぱい涙を浮かべた若葉が姉の和葉に相談した。
「どうしたの?お父さんにバレたの?」
「ちがう。学費は奨学金で何とか出来そうなんだけど、入学金が・・・。明後日までに
入金しないと、合格取り消されちゃう・・・。」
「ふふふふ。そんなの分かってたことじゃない。私が出すよ。」
と、和葉は笑った。
「・・・。」
若葉はあっけに取られた。和葉は続けて、
「私、高校卒業してから、仲居の仕事して、けっこう貯金も溜まってるのよ。
だから大丈夫。若葉はしっかり大学で勉強して、夢叶えて。これは先行投資。
立派になったら倍にして返してね。」
と言って、ケタケタと笑った。
「お姉ちゃん、ありがとう・・・。」
と、若葉は声にならない声で、和葉に抱きついた。