ゲームクリエーターはゲームも恋もクリアする
男性が行った後、グラタンを頼み、半分くらい食べ終えた所で男性が戻ってきた。

男性は、慣れた手つきで再びパソコンの裏面を開けると、どんどんパソコンを分解し始めた。中を取り出しピンセットを使って黙々と作業し始めた。

若葉は出来るだけ音を立てないようにして静かに見守った。


一時間半後

バラバラに分解されたパソコンが元の形に戻り、再び男性は電源を入れた。

電源が入った!

男性は落ち着いたままで、

「動作確認しますね。」

と言って、キーボードを叩いてから、若葉の方にパソコンを向けると、

「大丈夫そうです。データの確認をしてください。」

と言った。
若葉はすぐに確認すると、

「破損ないです。ありがとうございます!」

と、笑顔で言った。

「液晶ケーブルが断線していただけです。新しいものに交換したので、もう大丈夫ですよ。」

「本当にありがとうございます!実は明日大事なプレゼンがあって。もう明日じゃなく今日か。どうしてもやり直したい部分があって、直してたんですけど、時間的にギリギリで。それでずっと残業続きで。それでも間に合いそうになくて、帰りの電車内でやろうとパソコンをケースに入れずに持ち歩いてしまって…。だから本当に助かりました!」

若葉は嬉しさのあまり、堰を切ったようにべらべらと喋ってしまった。

「お役に立ててよかったです。」

男性は優しい笑みで言った。

「あの、おいくらですか?」

と言って若葉はバッグから財布を出そうとすると、男性は、

「お金はいいです。ちょっとお腹減ったんで、ここでごちそうしてもらえますか?」

と言った。

「ええ、いくらでも好きなもの頼んでください!私、ここで仕事仕上げますので。」

と、言って、若葉は男性にメニューを渡すと、
プレゼンの資料を作り始めた。

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