恋の♡魔法のチョコレート
気持ちを悟られないように小鳩の方を見た。

少しだけ覚悟してた。


この時、小鳩が寂しそうな表情してたらどうしようって。


そんなの私のが耐えられないって思った。

「………っ」

ほわほわとくすぐったい空気が流れる中、深呼吸をして小鳩に声を掛けた…

「………小鳩?」

………。

えっと、言葉が出て来ない。

なんて言えば…?

てゆーかなんでそんなしかめっ面なの…?

「小鳩…?」

「はい、なんですか」

「え、あの…それ…どんな反応なのなかって思って」

もっと悲しそうだったり、泣きそうだったり、感情あらわにしちゃったり、そんな見たことない小鳩だったら耐えられないって思ったけど驚くほどにいっつも通りの小鳩だった。

「どんな反応って…」

またきゅっと眉間にしわが寄った。

その答えを聞くのに心臓がドキドキしてうるさかったのに、全部を吹き飛ばしてきた。

「こんな恥ずかしいことよくするなぁと思いまして」

「………。」

「まぁ断られなくて良かったですよね、断られていたらどうなっていたことか…」

めちゃくちゃ淡々と語って状況を読んでいた。


てかすごい他人事じゃん。

いや、他人事なんだけど。

え、他人事なの???


「小鳩…、興味ないの?」

それともクール気取ってるのかな。
こんなことで乱されないぞって。

「興味?」

不思議そうに私を見てる。

チョコレートにしか興味ない男でもさすがに自分の好きな人の好きな人という存在には興味あるでしょ…!

「一切ないですけど」

「なんで!?」

「なんでって柳澤さんは人の恋愛に興味あるタイプかもしれませんが僕は別に」

「あるでしょ!だって小鳩って好きじゃ…っ」

森中部長のことを、そうだと思ってた。

「僕が?何ですか?」

でも本当に何も感じてない小鳩を見て思った。



それは私の勘違い。



かんちがい…

小鳩の好きな人って森中部長じゃないんだ!?


確かに私が勝手に思ってただけで、言われたわけじゃないし、あくまで予想だったんだけど。
森中部長だってそらぴょんの好きな人は私だって思ってたって言うんだからそんなこともあるんだろうけど…っ

まさか私もそうだったなんてね。

「メリー!」

その声からすでにしあわせオーラ漂うそらぴょんが私を呼んだ。

そっか、じゃあここは純粋に祝福していいんだ。

誰も悲しまないしあわせな空間なんだ。

「そらぴょんよかったね!」

私がちょっとだけ1人でテンパってただけだった。

お恥ずかしい限りだよっ
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