恋の♡魔法のチョコレート
「だから、今度はその人のためにチョコレートを作ってみたくなりました。その人に届けたくて、それはたぶん新しい始まりかと…まぁいいですかこの話は」

「いや、よくないでしょ!?聞かせてよ!大事でしょ!」

「そうですか?」

また真顔になっちゃって、それはいつもの見慣れた小鳩で。

「でも言ったつもりだったんですけどね」

「な、何を?」

「一緒に話してるのが“楽しい”って」

「………?」


“…楽しそうだなっと思って!”

“楽しいですけど”


あっ!!!

あれってそーゆう意味だったの!?

琴ちゃん先生じゃなくて、私ってこと…!?


「小鳩わかりにくいっ!!」


そんなのだって…っ


「というか柳澤さんこそ、他に好きな人がいるんじゃなかったでしたっけ?」

「え、それはっ」

今その話持ってくるなんて、それこそ私がいつの話してるの?って言いたいぐらい。


困った私の顔を見て小鳩が笑った。


「もう見てるばかりの恋はしたくないんで」


小鳩ってそーゆう奴なのか、知らなかったな。


でも、私もう小鳩しか見えてないんだよ。



「今目の前にいる人が私の好きな人だよ」



だから私だって聞かせてほしい。


チョコレートにしか興味がなくて、とにかく威圧感を放ってて、目付きが悪くて、誰とも話さないと思ってたのに。


話してみたらひたむきで一途で、あんなに器用にチョコレートを作るのにそれ以外は不器用で、不器用だから人付き合いも苦手なだけで本当は…


上を向く、視線を合わせて。



「…今は誰が好きなの?」



「この美味しくないチョコレート作った人、ですかね」



本当は、誰より一生懸命だよね。


私の前で笑ってて、

その顔見たらまた泣いちゃって、

泣き過ぎですって笑ってる。



私を見て、笑ってる。



私と笑ってる。




やっぱりみんなに見せたくないな。

私だけのものにしておきたいよ。




「チョコレート、もらってもらえますか?」




うちの学校には魔法使いがいる。


その魔法にかかれば、誰だって告白がうまくいっちゃう嘘みたいな本当の話。



私がずっと欲しかったチョコレート。




「…はいっ」





この学校でたった唯一…





小鳩結都だけが使える魔法。






それはきっと私にしかかからない魔法。
< 159 / 159 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

表紙を見る 表紙を閉じる
彼を探しにきたやってきた。 いつかきっと、彼に会うためにー… 「ふーん、お前が花村雫(はなむらしずく)?」 ここは聖クリスタル学園、 とんでもないお金持ちしか入れない 日本トップクラスのエリート校。 その中に庶民が1人… 「俺らのクリスタルレディー、か」 それは1つだけ願い事を叶えてくれる 夢のような称号。 クリスタルレディーになって彼に会いたいの。 だけど、そこには… “クリスタル・ペンデ” と呼ばれる男の子たちがいて!? 椿原希生(つばきはらきお) 「お前にクリスタルレディーは無理だ」 クールで口が悪い、通称・キング 茄子原銀(なすはらぎん) 「雫ちゃんにひと目惚れしちゃった♡」 女たらしのお調子者 栗丸颯斗(くりまるはやと) 「全然気にしないから、民度低い庶民でも!」 人懐っこい元気印 松雪秀太郎(まつゆきしゅうたろう) 「……。」 無表情で無口 「俺らのこと、満足させられるわけ?」 4人の男の子たちを満足させるって、 どうやってー…!? だけどわたし、 絶対クリスタルレディーになってみせるから!
私のぷくっと膨らんだキモチ、今が食べごろです
めぇ/著

総文字数/7,336

恋愛(オフィスラブ)8ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
桜木美和の至福な瞬間は大福を食べる… 眞尾先輩を見ること。 まるっとした大福をぱくっとひとくちで 頬張るとぷくっと上がった頬がむぎゅむぎゅとして… 可愛い、そんな姿がとにかく可愛い!  いつも隣で見ているだけの美和だったけど… 桜木美和/さくらぎみわ(25) 営業事務 もちもちな大福を口いっぱい詰め込んで 食べているところを見るのが好き × 眞尾航大/まおこうだい(28) 営業 ぷくっとした頬が特徴の 子供っぽさ溢れる先輩 見ているだけではもう我慢で出来ません!
いじわるな指先に惑わされる恋なんてしたくないです!
めぇ/著

総文字数/7,551

恋愛(オフィスラブ)9ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
綺麗な手をしてると思った。 白くて細くて長い指先で、 それなのにちゃんと男の人をしている手が ピアノを弾いていたから。 なんとも反則だ、と思ってしまった。 「蓮見、会議全然聞いてなかったよね?」 つい目の前にその手があったから、 見とれてしまった。 でもハッとして気付いた、 今は会議中だってってこと。 よりにもよって1番バレちゃいけない人にバレてしまった、 部長にチクられるって脅されちゃって… 「じゃあ言わない代わりに」 何を言われるんだろう? 何をされるんだろう? 「俺の下僕」 え? 「あ、間違えた!」 何が!? 「俺の補佐、してくれない?」 蓮見茉奈/はすみまな(23) 宇佐美の綺麗な手に一目惚れをする。 さらにピアノを弾く指先に心奪われ、 頭から離れなくなる。 × 宇佐美至/うさみいたる(25) 営業部のイケメンな先輩。 綺麗な手の持ち主、 蓮見の視線に気付き下僕にする。 今、下僕って言いましたよね…っ!?

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop