恋の♡魔法のチョコレート
「だから、今度はその人のためにチョコレートを作ってみたくなりました。その人に届けたくて、それはたぶん新しい始まりかと…まぁいいですかこの話は」

「いや、よくないでしょ!?聞かせてよ!大事でしょ!」

「そうですか?」

また真顔になっちゃって、それはいつもの見慣れた小鳩で。

「でも言ったつもりだったんですけどね」

「な、何を?」

「一緒に話してるのが“楽しい”って」

「………?」


“…楽しそうだなっと思って!”

“楽しいですけど”


あっ!!!

あれってそーゆう意味だったの!?

琴ちゃん先生じゃなくて、私ってこと…!?


「小鳩わかりにくいっ!!」


そんなのだって…っ


「というか柳澤さんこそ、他に好きな人がいるんじゃなかったでしたっけ?」

「え、それはっ」

今その話持ってくるなんて、それこそ私がいつの話してるの?って言いたいぐらい。


困った私の顔を見て小鳩が笑った。


「もう見てるばかりの恋はしたくないんで」


小鳩ってそーゆう奴なのか、知らなかったな。


でも、私もう小鳩しか見えてないんだよ。



「今目の前にいる人が私の好きな人だよ」



だから私だって聞かせてほしい。


チョコレートにしか興味がなくて、とにかく威圧感を放ってて、目付きが悪くて、誰とも話さないと思ってたのに。


話してみたらひたむきで一途で、あんなに器用にチョコレートを作るのにそれ以外は不器用で、不器用だから人付き合いも苦手なだけで本当は…


上を向く、視線を合わせて。



「…今は誰が好きなの?」



「この美味しくないチョコレート作った人、ですかね」



本当は、誰より一生懸命だよね。


私の前で笑ってて、

その顔見たらまた泣いちゃって、

泣き過ぎですって笑ってる。



私を見て、笑ってる。



私と笑ってる。




やっぱりみんなに見せたくないな。

私だけのものにしておきたいよ。




「チョコレート、もらってもらえますか?」




うちの学校には魔法使いがいる。


その魔法にかかれば、誰だって告白がうまくいっちゃう嘘みたいな本当の話。



私がずっと欲しかったチョコレート。




「…はいっ」





この学校でたった唯一…





小鳩結都だけが使える魔法。






それはきっと私にしかかからない魔法。
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