悪役令嬢の姉に転生した枯れ専女子はイケおじにしか興味がない!〜あと三十年経ってから出直してきなッ!!!〜
四章 べジュレルート公爵編
ーーーその日の夜
月に一度、ローガンが城に来るタイミングで、ワイルダーの部屋に三人で集まって夜通し語り合うことが恒例になっていた。
「ワイルダー、ローガン、何をそんなに落ち込んでいるんです?」
「…………リアム」
「……。久しぶりにココとホセにこってりと絞られたんだ」
「はぁ…………いい歳して、何をしてるんですか?ワイルダーはいつもの事だとしても、ローガンまで」
「えー……そんな事ないよ」
「私は事実を言っただけです」
「手厳しいなぁ。昔はリアムだって散々……」
「今すぐ黙りなさい」
「…………すまない」
「ローガンはいいんです。ワイルダーの悪戯に巻き込まれただけでしょう?」
「あぁ……まぁ」
「ローガンまで、ひどいなぁ」
リアムはソファーに掛けると二本の瓶をテーブルに置いた。
「先月、参加出来なかったお詫びです。いいワインを頂いたのでお裾分けですよ」
「わぁ……!さすがリアム」
「ローガン用に、アルコールが入っていない葡萄ジュースを頂いてきました」
「…………いつもすまない」
「酔っ払ったほうが面倒ですからね」
「ははっ、そうだね」
部屋にはいつものように笑い声が響いていた。