悪役令嬢の姉に転生した枯れ専女子はイケおじにしか興味がない!〜あと三十年経ってから出直してきなッ!!!〜

最終章

(エルジーside)


(どうしてこんなことになったの……!?おかしいでしょう)

もう気の遠くなるような時間を机に向かっていた。
それなのに永遠に終わらない勉強。
積み上がっていく本と課題。
講師には厳しく叱咤されてエルジーは息苦しさに胸元を押さえた。

エルジーはずっと部屋に閉じこもって『バリソワ公爵家を継ぐ為』の勉強をしなければならなくなった。

(……なんで!?なんでよッ)

毎日、休みなく部屋に訪れる講師達の指導は厳しく辛いものだった。
自分なりにちゃんとやっているつもりだった。
それなのに「全然足りない」「ヴィクトリア様はすぐに覚えた」「もっとちゃんと出来ないのか」そんな言葉を毎日投げかけられていた。

(こんな事、もううんざり……!絶対に上手くいくと思ったのにッ)

発端はヴィクトリアが隣国に留学に行った時からだった。
ヴィクトリアの前ではいつも萎縮していて気の弱そうなジェイコブを見て、使えると思い少しずつ距離を詰めていた。
全てはこの国の王太子であるラクレットに近づく為だった。

(家柄も、容姿も、令嬢達の中でわたくしが一番、ラクレット殿下と釣り合うわ……!)
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