悪役令嬢の姉に転生した枯れ専女子はイケおじにしか興味がない!〜あと三十年経ってから出直してきなッ!!!〜

ルート分岐(① べジュレルート公爵ルート)

ヴィクトリアは今日もべジュレルート公爵に捕まっていた。


「ヴィクトリア、待ちなさい!汗だくで服が乱れていますよ!?こんな格好で……」

「ああ、おはようございます!べジュレルート公爵は今日もとても麗しくて美しくて朝から色気が色んな部分から漏れ出していますけれども。あ、今日のべジュレルート公爵のお姿も大変美味しいので、是非ファンクラブのお姉様方に見せてあげたいですわ!それにわたくしもべジュレルート公爵にまたまた聞きたいことがありますの!それはですね……!」

「………………」


が、逆にガッツリ捕まえていた。


「ですから、そういう時は……んぐっ!?」

「ヴィクトリア……少し落ち着きましょうか」


大きな手のひらで口を塞がれたヴィクトリアは、目の前にある公爵の顔を見てうっとりしていた。
指の先まで美しい公爵に大興奮である。
べジュレルート公爵はヴィクトリアの行動に苛立ちを滲ませながら眉を寄せると、眼鏡をカチャリと動かした。


「んふ、ふふふふっ……!」


口を塞がれながら不気味な笑い声をあげるにヴィクトリアに、べジュレルート公爵は「くっ……」と顔が歪めながら手を離す。
最近、二人の攻防戦が城で話題である。

そして休みを合わせて、必ずべジュレルート公爵邸に訪れるようになった。
公爵邸では、城で働いている時とは違った関係を築いている。
お茶を飲む公爵を見てヴィクトリアは今日も悶えていた。

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