悪役令嬢の姉に転生した枯れ専女子はイケおじにしか興味がない!〜あと三十年経ってから出直してきなッ!!!〜

ルート分岐(② イーシュ辺境伯ルート)

重たいバックを持って、向かった先にはーーー。


「お待たせ致しましたわ!」

「わざわざ城まで来てもらってすまなかった」

「いえ……!わざわざ遠回りしてもらう必要はありませんもの」

「そうか、なら行こう」

「はい!」


今日、ヴィクトリアは長期休暇をもらい、イーシュ辺境伯の屋敷に遊びに行くことになったのだ。
ヴィクトリアが辺境に行きたいと言うと「何もないぞ?」と眉を顰めて言われたのだが、自然も辺境の地にも興味はあるものの、ヴィクトリアの目的と言えば間違いなく……。

(イーシュ辺境伯のあんな姿やこんな姿を堪能して差し上げますわ……ウフッ、ウフフッ)

今回も下心満載である。

「僕も行きたい~」と半泣きなシュルベルツ国王と書類を抱えて、べジュレルート公爵が鬼のような表情で「まだまだやる事がありますから」と、言って逃げないようにシュルベルツ国王の首根っこを掴んで引き摺っていく。

ホセやココ、ゼル医師や料理長に見送られながらヴィクトリアは馬車から少しだけ身を乗り出し手を振った。


「とっても楽しみですわ!」

「…………あぁ」

「暫くお世話になります。一緒にあんなこと、こんなことを…………って、イーシュ辺境伯?」

「…………あぁ」

「あの……」

「…………あぁ」

「もしかして……緊張されていますか?」

「……………」
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