悪役令嬢の姉に転生した枯れ専女子はイケおじにしか興味がない!〜あと三十年経ってから出直してきなッ!!!〜
ここ最近、ヴィクトリアの周りでは様々な変化があった。

先ずはシュルベルツ国王が、色々な表情を見せてくれるようになった。
やはり会う回数が増える度に信頼度が増していく。
「ありがとう」と言う時の可愛らしい笑顔も、真剣に机に向き合う姿も、指示を出す時の雄々しい姿にも、ヴィクトリアの心臓は高鳴りっぱなしである。

ヴィクトリアが城に通っているのは、週に五日程だ。
残り二日は侍女達を連れて街に行って自由気ままに買い物をしたり、シュルベルツ国王達を誘惑する為に己を磨き、指を鍛えつつ、ゆったりとお茶を飲みながら皆で談笑する。

そして『可哀想なヴィクトリア』に届くお茶会やパーティーの招待状。

(わたくしを見世物にしようとするなんて……ウフフ)

ヴィクトリアは都合が合う時は、あえて呼ばれたお茶会やパーティーに参戦していた。
侍女達に頼んでヴィクトリアを魅力を最大限に引き立ててもらい、会場に乗り込んでは眩しい程の美貌を見せびらかしていた。
それには不幸に泣くヴィクトリアを見て嘲笑おうと思っていた令嬢達も驚いたようだ。


「本日はお招き頂きありがとうございます。ヴィクトリア・バリソワですわ!」

「……っ!」

「ウフフ、何か……わたくしに聞きたいことがありそうなお顔をしてますわね?」

「なっ、なにも!」

「あらあら…………そんなに怯えないで下さいませ」

「ひっ……!?」

「じっくり、たっぷり……教えてあげますわよ?」
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