愛されることに 慣れていなくて
「久我山家に嫁ぐということは、たくさんのことを求められるんだぞ。仕事だって辞めなければならない。菜々子さんは外国語が話せるのか?無理だろう。そんなんで、各国の要人の相手ができるのか?」


「仕事を辞めなければならない?外国語を話せないから要人の相手ができない?ふざけるな!そんなこと誰が決めた?人には人それぞれの個性、良さがある。それを活かせばいいだけだ。まさか、そんなくだらないことを菜々子に言ったのか?いいか親父、時代は目まぐるしいスピードで変化している。今はそんな事を言っている時代じゃないんだ。そんなことに固執していると、久我山グループは世界に置いていかれるぞ!」

一時の沈黙が流れた。

「いつの間にか、大人になりおって」祖父が言う。

「康介、久我山は安泰だな」

「父さん」

「隼人の言う通り、今は時代の流れが激しい。乗り遅れると衰退していくだろう。だがな、隼斗、捨ててはならんものもある。その見極めが肝心だ。お前にそれができるか?菜々子さんを幸せにしながら、お前にそれができるか?」

「できるよ。やってみせる」
< 122 / 185 >

この作品をシェア

pagetop