野良狼と野良少女


「えへへ〜黙っててごめんね、正直に言ったらあみぽん来てくんないと思って」



「そりゃそうでしょ…!?私がメイド喫茶なんて無理だよ!」



「いけるいける!可愛いもん!」



「いやこの人見知りがメイドなんて無理です…!!」





メイドカフェ。


行ったことはないけど、知らないわけじゃない。



どんな接客をする場所かだって少なからず知っているつもりだ。





「大丈夫大丈夫、いける。萌える。ツンデレ人見知りメイド」





あと10分しかないからね、と笑顔で圧をかけられて更衣室に押し込まれる。



一度引き受けてしまったからには、というかここに来てしまったからにはもう逃げられない。





…今日は私の命日かもしれない。



そんな気持ちで仕方なくメイド服に袖を通した。


人生最後、人生最後…なんて念じながら。





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