あの頃からあなただけが好きでした

 あの女は俺とマリオンが婚約した、なんて嘘を吐いた。
 それなのに、俺達ふたりを招待するって、どこかおかしい。


 その場しのぎの数多くの嘘を吐き過ぎて、誰に何を言ったのか、自分でも把握していないんじゃないか?



 それに恥知らずなクレアだけでなく、あの男に
対しても。
 俺は向かっ腹が立って仕方ない。



 中途半端にマリオンに、告白しやがって。
 婚約寸前のバカ女が居るくせに、マリオンに昔
の話をするなんて、彼女を苦しめてるのがわか
らないかな。

『実は好きだった』なんて、ブライズメイドに
聞かせる台詞じゃないだろ。



 全く似た者同士のクソだ。
 ついでに言うと、マリオンの姉もクズ。



 帰宅した夫のブレナーに我慢出来なくて、マリオンの話をする。
 ブレナーもマリオンの事を可愛がっているから、俺とは同じ気持ちのはずだ。


「怒ってるねえ、スコット」

< 98 / 171 >

この作品をシェア

pagetop