【短】反対になる



「好きだよ」


泣きたくなるのは、きみのせい。

思わず息が詰まった。


「何度でも伝える」


信じたい。

本当は信じられないわけがない。

ずっときみがよかったんだ。

だからもう、終わりにしよう。


「信じていい?」


まだ間に合うかな。


いつのまにかすれ違っていたけど。

そんなこと、もうおしまいにしないといけない。


ふたりには距離ができていたから。



「どうでもいいよ」


切なげに微笑むから、胸がぎゅっと締め付けられる。

こんなに苦しくなることなんか、ほかにない。



「いじわる」

「ずっとそうだったよ」


知ってる。

でもきみは、そんな人だ。


言葉にしなくてもいいのに。



「それでも、楽しかったね」

「けど、苦しかった」

「そばにいられるだけでいいよ」

「今は、違うけどね」



好きが全てだと思った。

きみの好きなところを探すようになったのは、いつからだろう。


好きだけじゃ、ずっとはいられない。


「離れてみたい」

「そっか」

「これで、おしまい」


「いいよ」



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