孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている
序 章
「うわあ、派手にやってんね」


非常にまずい。

道路に倒れているわたし、に、後ろからやってきた人の影が重なった。

……誰にも見られてないと思ったのに。



「痛い? へーき? 立てる?」


言葉こそ親切ではあるものの、端々に笑い声が含まれていて、体がかああっと熱くなる。


この人、心配というより面白がってないっ?

遅刻しそう!って急いでたら足がもつれて顔面からいっちゃったカワイソウな女子高生を、笑いにきたんじゃ……⁉︎


なあんて思ってたら手のひらが伸びてきた。

掴め、と。



「うぁ、すみません、ありがとうございま……」



反射的に手を取ったら目が合って、

直後──バクン。
心臓が止まりそうになる。


「いーえ、どういたしま……」


わたしの瞳に映った彼の動きも、ぴたりと止まってしまった。
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