孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている
夕焼けに染まる心
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いよいよ、明後日がダブルデートだ……!
というところまできた、金曜日の放課後。


まりやちゃんと校門を出たあとに、課題で使う英語のテキストを教室に忘れてることに気づいた。


月曜日の朝一からがんばれば間に合うかな……。

いやでも、不安要素のあるまま迎える休日はちょっと嫌かも。



「ごめんまりやちゃん。やっぱり取りに戻るね!」
「私も行こうか?」

「ううん大丈夫、先に帰ってて! それじゃあまた日曜日!」



来た道を駆け足で戻る。


課題の範囲、けっこう広かった記憶がある。

月曜の朝から解いたってきっと間に合わない。


答えを見るのも手ではあるけど、英語の成績がよくないわたしが、まんべんなく正解なんてしてたら、先生に怪しまれること間違いなし。

自分のためにも、家でまじめにがんばろう……。



息を弾ませながら校舎の階段を駆けのぼった。

廊下にひと気はない。
ちょっと怖いくらいに静かだった。

金曜日は特に、部活がない生徒はさっさと帰っちゃうからなあ……。



ふう、と息を吐いて教室の扉に手をかける。

ガラガラ……、とスライドさせた直後。



「……!」


息が止まりそうになった。

だって、教室に生徒がひとり、座ってたから。
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