甘く、溶ける、君に。
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陽の光が差し込む放課後の教室、私と田邊以外誰もいないから、外から部活動の声がいつも通り聞こえてきて響き渡る。
私には縁のない、青春の声。
約束通りの、放課後。
「……あー、ほんとは聞きたくないな」
流れる沈黙、先に破ったのは田邊の方だった。
隣の席、お互いに目を合わせることはせず真っ直ぐ黒板の方へ目線を向ける田邊の口が開いた。
私が田邊に伝えたいことがあること、その内容も、朝の時点できっと、バレていた。