甘く、溶ける、君に。



はは、と小さく笑う君が愛おしい。

あの頃から……小さい頃からも、全く変わらない優しい笑顔に私は心を奪われ続けている。



どんな時も私はその笑顔に救われてたんだ。



私にはもったいないくらい素敵な人と、一生一緒にいるために。



今日は、何年も会ってない両親に会いに来た。

ちゃんと話さなきゃ、わだかまりを残したまま千輝とは一緒になれない。



「頑張らなきゃ、私」


「なぁ、遥乃。もしさ……」



かつて、住んでいた家。

かつて、千輝と過ごした場所。




「もし、遥乃とご両親が関係修復できなくて縁を切ることになったとしても、それでも俺はお前から離れないから」




< 341 / 349 >

この作品をシェア

pagetop