実はわたし、お姫様でした!〜平民王女ライラの婿探し〜

23.我が君

 私室に戻ると、煌びやかで重たいドレスをベッドに脱ぎ捨て、初めて城に連れてこられた時に着ていた服を引っ張り出した。


(捨てられなくて良かった……)


 本当は処分されるところだったんだけど、エリーが気を利かせて取っておいてくれたのだ。季節が一つ、冬から春に巡っているから少し生地が厚いけれど、どうせ着るのは短時間だから問題ない。家に帰るまでの間に着られる服が有れば、それで構わなかった。


(わたしはもう、お姫様じゃない。お姫様じゃないんだ!)


 洋服を着替え終えたわたしは、全身がビックリするほど軽いことに気づいた。物理的な重さが違うってのも当然あるけど、精神的なもの――――プレッシャーが与える影響って大きかったんだって実感した。


(さて、と)


 城から脱出する前に、応接室に取り残したままのエメットを迎えに行かなきゃならない。何せ事情を何も説明しなかったので、今頃は困惑しているだろうし、ヤキモキしているだろう。


(エリーが話し相手になってくれてたら良いんだけど)


 とはいえ、エリーの精神状態も心配だ。責任感の強いエリーのこと、今頃はきっと、自分自身を責めていると思う。さよならをする前に、手紙の件はエリーのせいじゃないってこと、わたしがすごく感謝しているってことを伝えなきゃいけない。


< 115 / 257 >

この作品をシェア

pagetop